歯周病は気づかぬうちに進行します
歯周病は、ほとんど症状なく進行していくことから、サイレント・ディジーズ(静かなる病気)とも表現されます。
ただ、日ごろから歯茎を観察する習慣があれば、早期に発見できる可能性は高くなります。一番間違いがないのは、定期検診に通うことです。歯周ポケットが深くなっている、炎症が起こっていると指摘されたときには、早期の対応が必要です。
もしかして歯周病かも?このような症状はございませんか?
- 起床時に口の中が粘つく
- 歯茎から出血がある、膿が出る
- 歯茎がムズムズする、痛い
- 歯茎が腫れている、痩せている
- 歯茎が退縮し歯が長く見える・歯間が広く見える
- 口臭が気になる
- 食べ物がよく挟まる
1つでも当てはまる項目がある場合には、一度歯周病検査を受けられることをおすすめします。
当院の歯周病治療の特徴
一番大事なことは、歯周病の原因を除去することです。当院では、ポケット検査、レントゲン検査、歯茎の状態の検査、噛み合わせの検査などの精密検査をしてから、歯周病を悪化させる原因を分析し、治療計画を立てます。
歯周病の直接の原因は、汚れ(プラーク)ですが、歯ぎしり、くいしばりもリスクファクターになります。
歯周病の治療と並行して歯ぎしり、食いしばりの治療が必要になることもあります。
歯周病について
歯周病の原因は?
歯周病の原因は、歯周病菌にあります。歯周病菌が作り出す毒素によって、歯茎に炎症が生じます。
そして、歯周病菌はプラークにたっぷりと含まれています。歯周病の予防や治療では、プラークの量をセルフケアやプロケアでコントロールすることが大切になります。
歯周病の進行と治療法
健康な状態
歯茎はきれいなピンク色をしており、ハリがあります。また、ブラッシング程度で出血することもありません。歯と歯のあいだにまで歯茎がしっかり延び、先の尖った三角を形成しています。
特に治療は必要なく、引き続き毎日のセルフケアと定期的な歯科医院でのクリーニングに取り組んでいきます。
歯肉炎
歯茎の赤みが強くなります。ブラッシング時の出血も見られます。歯と歯のあいだ歯茎の先端は、丸みを帯びて腫れぼったくなります。
治療では、歯科医院でのメインテナンスと、セルフケアの改善に取り組みます。
軽度歯周炎
歯茎の赤みが鮮やかになります。ブラッシング時の出血も見られます。歯周病菌の出す毒素によって、炎症が強くなっています。
治療では、歯科医院での専用の道具を使ったスケーリングと、セルフケアの改善に取り組みます。
中等度歯周炎
炎症がさらに強くなり、歯茎が紫っぽくなります。歯茎が退縮し、歯が長く見えます。ブラッシング時以外にも、出血が見られます。歯周ポケットも深くなり、そこにプラークや歯石が溜まりやすくなります。
治療では、歯科医院での専用の道具を使ったスケーリングと、セルフケアの改善に取り組みます。場合によっては、外科的な治療が必要になることもあります。
重度歯周炎
歯茎が紫色になり、ブラッシング時以外にも、出血したり膿が出たりといったことが起こります。歯茎の退縮によって、歯と歯のあいだも広くなり、食べ物が頻繁に引っかかります。
治療では、スケーリングとセルフケアの改善に加えて、外科的な治療が必要になります。
歯周病と検査と治療
歯周病の検査
歯茎や顎の骨の状態を調べるため、以下のような検査を行います。
- 歯周ポケット検査
歯周ポケットの深さを測ります。 - レントゲン検査
顎の骨の状態を調べます。 - 動揺検査
歯のぐらつきの有無・程度を調べます - 染め出し
セルフケアがうまくできているかをチェックします。
歯周病の治療
歯周病の治療においては、歯科医院で行う処置に加えて、ご家庭でのセルフケアの取り組みが重要になります。どちらが欠けても、歯周病治療はうまくいきません。虫歯治療より長くかかり、地道な治療となりますが、正しく取り組むことで良い結果が得られる可能性は高まります。
- スケーリング・ルートプレーニング
セルフケアでは除去しきれなかったプラークや、こびりついた歯石を、専用の道具を用いて徹底的に取り除きます。 - セルフケアの改善
歯ブラシ、デンタルフロスまたは歯間ブラシ、洗口液などを効果的に使用しながら、口腔内のプラークの量を減らしていきます。 - 生活習慣の改善
食事と摂り方が良くない、生活リズムが乱れているといった場合には、その改善のためのアドバイスを行います。 - 咬み合わせの調整
咬み合わせの乱れによって歯周病が悪化していることもあります。その場合には、咬み合わせを調整します。 - フラップオペ
歯周ポケットが深くなり、外からの処置ではプラークや歯石を除去しきれない場合に行います。
歯茎を切開し、露出した歯の根に付着したプラークや歯石を徹底的に取り除きます。
歯周病と全身疾患
歯周病は、お口の中で起こる病気です。しかし、その影響は全身へと及びます。
現在、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などとの関連性が指摘されています。命にかかわる病気、生活の質を著しく低下させる病気の予防のためにも、歯周病にならない・なったときにはしっかり治療することが大切です。
その他、歯周病の妊婦さんは、そうでない健康な妊婦さんと比べて、早産や低体重児出産のリスクが数倍に跳ね上がるという報告もなされています。
歯周病治療って痛くないのですか?
スケーリングを行う際、炎症が強いところであれば、痛みや出血が生じることがあります。必要に応じて、麻酔注射を行います。当院では、麻酔注射そのものの痛みも軽減する工夫に取り組んでおりますので、どうぞご安心の上、受診してください。
歯周病は自分では治せないのでしょうか?
歯周病になってしまえば、自分で、つまりどれだけセルフケアを丁寧にしても治すことはできません。大きな理由として、ご自身では歯石除去ができないということが挙げられます。
歯周病治療では、その進行の程度に関わらず、毎日の丁寧なセルフケアと歯科医院での治療が欠かせません。
歯周病はうつるって聞いたのですが本当ですか?
歯周病は、人から人へうつる感染症です。虫歯菌と同様に、唇同士のキスや食器の共用、食べ物を冷ますときのフウフウという息の吹きかけなどで歯周病菌が感染すると言われています。歯周病菌に感染したからといって必ず歯周病になるわけではありませんが、大切な方にうつさないためには、そういった行為を避けることも必要です。
歯茎から血が出るようになったのですが歯周病でしょうか?
硬い食べ物などで歯茎が傷ついたという可能性も考えられますが、思い当たる節がない、出血が何日も続いているという場合には、歯周病の可能性が高いと言えます。健康な歯茎であれば、通常のブラッシング程度の力では出血を起こしません。一度、歯周病検査を受けられることをおすすめします。
妊活中ですが、歯周病の治療はできますか?
妊娠、出産を希望されている方は、早めに当院へいらしてください。歯周病と流産、早産の関連は有名です。
不妊治療中は、婦人科への来院回数が多くなり、スケジュール上の拘束日数も増えていきます。当院は柔軟に対応します。院長、スタッフ全員女性なので、なんでも気軽にご相談ください。